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読むと人生が楽になる!42歳で700万円の借金!YouTubeと人に助けられた結果…

THE REDEMPTIONギター久保龍馬 兄弟分の弟を亡くして

 

スカ・バンド「THE REDEMPTION」のギター、久保龍馬。

 

2023年3月28日、交通事故で亡くなった。

 

このブログに登場した私の弟分だ。

 

私のことを「アニキ」と呼んでくれるかわいい弟が、兄の私より先に逝ってしまった。

 

「龍馬よ、そりゃねえぜ…。」

 

 

約20年前

 

この日本で餓死を予感させるほど貧しかったオレ達は、大阪の大国町という場所で夢を追い、もがいていた。

 

あの頃を大国町時代と呼び、龍馬もまたその時代を熱く生きた男だ。

 

お金だけでなく、夢、バンドの解散、仕事…

 

若かったオレ達は、様々なツライことを共に乗り越えた。

 

龍馬が通っていた高知の中学校

 

2023年4月8日。

 

龍馬が亡くなった後

 

旅行先がたまたま、龍馬が生まれ育った場所 高知。

 

当時龍馬が住んでいた家、通っていた中学校、

 

龍馬の親父さんとよく遊んでいた海を見てきた。

 

スマホを開き、龍馬に「今、お前の家見てきたぞww!」

 

そうLINEしようとする自分にハッとする。

 

しっかりとまだ、龍馬の死を受け入れられていない。

 

龍馬が親父さんと遊んでいた高知の海

 

頭の中で、XJAPANのForever Love のメロディが流れる。

 

『傷つくことなんて慣れたはず だけど今は』

 

どんなにつらい時でも、大暗黒時代(大国時代)を共に生きた義兄弟がいる。

 

あいつらが頑張ってるからオレはまだやれる。

 

どんなことも乗り越えてきた。

 

あの時代ほどキツイ時は無かったから。

 

支え合い、一緒に笑った弟はもういない。

 

心に穴が開いたまま、それでも生きていかなければいけない。

 

「アニキ!」

 

ふとした時、龍馬の声が聞こえ、人懐っこいあの笑顔を思い出す。

 

思い出すのは、大阪で共に過ごした頃の龍馬。

 

今回は義兄弟の三男、久保龍馬の思い出を書いていこうじゃないか!

 

レッツしんちゃんのシャルウィダンス!

 

 

★ギタリスト久保龍馬との出会い

イエーイッ!!とはしゃぐ龍馬とアニキ

約20年前

 

自衛隊を辞め、派遣会社で働いていた頃のことだ。

 

ある現場で、金髪ロン毛のイケメンと出会う。

 

「お前いくつなん?」

 

「18ッス!」

 

「若いな。オレ22やわ!」

 

「22?ジジイっスねww!」

 

ケラケラと笑う金髪ロン毛が、久保龍馬。

 

あだ名はピルクル

 

プロのギタリストになるため、今は派遣で生活費を稼いでいると話してくれた。

 

「オレ!BIGになるっスよw!」

 

仲良くなった後も、口癖のように言っていた。

 

当時の龍馬のバンドメンバーやバンド仲間とも仲良くなり、オレは将来に不安を感じながらも、充実した日々を過ごした。

 

お金は本当に無かったけどw。

 

口を開けば皆、「お腹すいた」

 

そんなお金が無かった中でも、龍馬とUSJに遊びに行ったことを今でも覚えている。

 

貧乏な時に唯一、お金を使って遊び、まともな外食をした良い思い出。

 

USJのクリスマスの飾りつけに2年連続で龍馬とバイトしたのが遊びに行った理由。

 

完成したクリスマスの飾りつけを見て喜んだ。

 

「これオレが担当したレストランっス!」

 

「知ってるw。オレもおったやろw!」

 

「アニキいましたw?」

 

「外人の責任者の前で、こいつらコキ使いやがってって言うたら、日本語バリバリできる人やってめっちゃ怒られたレストランや!」

 

「ああww!そんなことありましたねww!」

 

この時のUSJは人気が無く、アトラクションは並ばず入れた。

 

アトラクション『ターミネーター2』に入り、3Dのメガネをつけると、

 

立体のターミネーターが顔近くまで迫りくる。

 

「何でオレのとこだけ―――!!」

 

叫んだオレに後で龍馬が

 

「アニキのところだけじゃなくて、皆のところに来てましたよw!

 

アニキ叫ぶから、めっちゃ恥ずかしかったっスww!」

 

そう言ってゲラゲラ笑っていた。

みんな心配してますよ事件

奈良ではしゃぐ龍馬とアニキ

 

「アニキ!ライブ見に来てよ!」

 

龍馬や義三兄弟の次男『ユタカ』のライブに誘われ、ライブハウスに自転車で向かう。

 

その道中、オレは軽トラに跳ねられてしまった。

 

自転車はグチャグチャに。

 

腕時計と携帯電話がはるか遠くへ。

 

カバーとバッテリーが外れた携帯を組み立て、龍馬に電話する。

 

「ごめん。今軽トラに跳ねられて救急車に乗るわ。」

 

「マジっスか!みんなに伝えておきます!」

 

そんなやり取りをした後、病院へ向かう。

 

診断で異常がなかったので、再び龍馬に電話。

 

「大丈夫っスか?

 

みんな心配してますよ!

 

今、打ち上げ中なんで、アニキも元気なら来てください!」

 

徒歩で居酒屋に着くと、バンドのメンバー達が楽しそうに飲んでいた。

 

「何でライブ来てくれんかったん?」

 

オレを見つけたバンドメンバー達が、口を揃えて言う。

 

「は?」

 

「おい龍馬!みんな心配してるって言うてなかった?」

 

「はいww!でも伝えてないっスww。」

 

「何でみんな心配してるって言うたんw?」

 

「ノリでww!」

 

「どんなww?」

 

2人で腹を抱えて笑ったのを覚えている。

 

「龍馬よ、そりゃねえぜ…。」

 

久保龍馬のギタープレイかっこよすぎ事件

カラオケにて龍馬とアニキ

 

龍馬がギターを弾いている姿を見たことがなかったオレ。

 

初めて行ったライブでの龍馬のギタープレイに驚きを隠せなかった。

 

「か、かっこよ…。」

 

当時付き合っていたオレの彼女が

 

「めっちゃカッコいい!カッコいい!」

 

そう叫んでいた。

 

ゆ、許せん!

 

「龍馬のギタープレイを彼女に見せるな!」

 

男達の間で、そう伝わっていったのだ。

 

ちなみに龍馬のライブ前、外で遊んでいたオレ達に悲劇が起こった。

 

オレと隣にいた龍馬の頭にハトのフンが!

 

「アッツ!アッツw!」

 

「熱いっww!」

 

ハトのフンは熱かった。

 

久保龍馬の妹可愛いから紹介したくない事件

龍馬が通っていた小学校

大国町時代のメンバーが龍馬に尋ねる。

 

「そういえば、ピルクル(龍馬)妹おったんちゃうん?」

 

「はい。」

 

「可愛いん?」

 

「可愛いっス!」

 

「え?紹介してよ!」

 

「絶対に嫌ッスw!」

 

「何でなん?」

 

「可愛い妹なんで絶対に嫌ですw。」

 

「え?オレに紹介したくないん?」

 

「絶対に嫌ッスw!」

 

「マジで…」

 

「絶対に嫌ッスw!」

 

大事な妹をこんなクズとつき合わせる訳にはいかない!

 

龍馬の必死さとショックで涙目になるメンバーを見て皆ゲラゲラと笑っていた。

龍馬と焼肉を食す!

親父さんに内緒でタトゥーを入れる龍馬

オレが車に跳ねられた後、派遣会社を辞め無職に。

 

派遣会社の元社員が電話をくれ、焼肉をおごってくれると言うのだ。

 

共通の知り合いだった弟分の龍馬も一緒にとお願いする。

 

貧乏だったオレ達は、焼肉を食えるということに大興奮!

 

餓死寸前まで腹を空かせて行こうとキャッキャ騒いでいた。

 

深紅に染まるハラミ。

 

光り輝くカルビ。

 

「うまーww!」

 

吉野家の牛丼を高級品扱いしていたオレ達は、焼肉は貴族が食べるもの

 

焼肉は自分達にまったく関係ない世界のもの、そう思っていた。

 

どんなに高級な焼肉店よりも、あの時食べた焼肉を超えることはない。

 

派遣の元社員は、夜の仕事の店長になっていた。

 

月収は100万円を超えていると鼻高々に話す。

 

「2人も働いたら、初月から30万円もらえるで!」

 

月収30万円!?貴族並みの生活がおくれるじゃないか!

 

帰り道、2人は夜の世界に飛び込むことを決意したのだ。

 

「面接行くッスよね?」

 

「行くぜーー!」

 

「イエーーーイ!!また焼肉食うぜーー!」

 

貧乏生活からの脱出を夢見て、2人は後日面接を受ける。

 

後で聞いた話では、2人ともギリギリの採用だったらしいw。

 

久保龍馬と暮らす

南斗水鳥拳の使い手龍馬

 

大国時代が終わり、住む場所を失った龍馬。

 

4畳の部屋を引越しし、実の弟と住み始めたオレ。

 

そのマンションは、リビングが10畳くらいあった。

 

「アニキ!リビング使わせてもらって良いっスか?」

 

実の弟と弟分の龍馬との3人の暮らしがスタート。

 

月収30万円を手にしていたオレ達は無敵だった。

 

「お腹が空いた」

 

そんな言葉は遠い過去の話。

 

「金ならあるぜw!」

 

「金ならあるッスw!」

 

そんなことを言いながらゲラゲラと2人で笑っていた。

 

ご飯が食べれるようになり、筋トレ部を作りる。

 

「金を手にしたら次は筋肉やろ!

 

筋トレしようぜ龍馬!」

 

「良いっスねw!」

 

マッスルボディを手にするため日々筋トレに励んだ。

 

そう、オレ達は無敵だった!

久保龍馬初めてのタトゥーを入れる

龍馬の好物 土佐清水にある足摺食堂 黄金焼き

「アニキ!誕生日にタトゥー入れるっス!」

 

「タ、タツーだと!?」

 

7月2日、龍馬の誕生日にタトゥーを入れるということで皆で見に行く。

 

入れ始めると龍馬はプルプルと震え、痛みを我慢。

 

「めっちゃ痛いw!めっちゃ痛いw!」

 

歯がガタガタと震え、それを見た皆は爆笑!

 

続いてオレも誕生日に入れた時、龍馬を含めみんな見にきてくれた。

 

同じくあまりの痛さにプルプルと震える!

 

「アカンアカン!無理無理無理ww!!」

 

龍馬以上に痛がるオレに、龍馬たちはゲラゲラと笑っていた。

 

「アニキの顔www!」

 

「た、助けてww!」

 

久保龍馬ライオンのタトゥーを入れる事件

タトゥーが増えていく龍馬

 

給料がドンドン上がっていくオレ達は無敵だった!

 

龍馬と次は何のタトゥーを入れるかで盛り上がる。

 

「アニキ!次は何入れるっスか?」

 

「オレ獅子座やからライオンを入れようと思うんやん!」

 

「アニキそれめっちゃ良いっスね!」

 

「じゃあ、オレはライオンにするわ!龍馬は?」

 

「まだ決めてないっス!…楽しみにしといてください。」

 

それから数日後。

 

嬉しそうに家に帰ってきた龍馬。

 

「アニキ、タトゥー入れてきたっス!」

 

「タ、タツーを!?」

 

服を脱ぎ、新しく入ったタトゥーを見せる龍馬。

 

「は!?」

 

何とライオンのタトゥーが入っていたのだ。

 

「ちょっと待って…。オレがライオンを入れるって言ったよな。」

 

「はいww!良いなと思ったんでw!

 

いただきましたww!」

 

「お前ふざけんなよww!」

 

「めっちゃカッコいいっスww!」

 

2人で腹を抱えて笑ったのを覚えている。

 

「龍馬よ、そりゃねえぜ…。」

 

ちなみにこの頃、タトゥーを入れたことを親父さんにいつ言うか悩んでいたことを覚えている。

 

久保龍馬一人暮らしを始める

龍馬が住んでいたリビングで筋トレ

 

「オレ、一人暮らしするッス!」

 

1人暮らしを決意した龍馬。

 

難波のオーキャットの裏あたりで部屋を借りたのだ。

 

実の弟と2人で遊びに行く。

 

日当たりゼロ。

 

めっちゃ狭いのに、謎のバーカウンターがあったw。

 

それでも初めての1人暮らしに満足そうにする龍馬。

 

「最高っス!」

 

「どこがやねんw!」

 

一国の主感を出す龍馬にイラッとするオレ。

 

そう、俺たちは無敵だった!

 

久保龍馬からの引っ越し祝い

龍馬からの引っ越し祝い

引越しを10回以上してきたオレ。

 

家電を鬼のように買い替えてきたが、唯一残しているモノがある。

 

それが龍馬からもらった電子レンジ。

 

これだけはずっと使い続けている。

 

「アニキ!引越し祝いに何か欲しい物ないっスか?」

 

「電子レンジ無いから欲しいな!」

 

「良いっスよ!金ならあるッスw。」

 

「そうやな!金ならあるw!」

 

そう、オレ達は無敵だった!

 

龍馬にお任せ!オレBIGになるッスよ連載開始

BIGになる舞いを踊る龍馬

 

龍馬はよく、「オレ、BIGになるッスよ!

 

BIGになってアニキに一軒家をプレゼントするッスw。

 

恩があるんでw。」

 

そう笑いながら言ってくれていた。

 

それをネタにした小説を、当時あったオレのHPに連載。

 

タイトルは『龍馬にお任せ!オレBIGになるッスよ』

 

10話完結のストーリー。

 

働かないオレは、龍馬がバンドで売れることを期待し、

 

「龍馬、いつになったらBIGになって家をプレゼントしてくれるんだ?」

 

段々年をとっていき、

 

8話では、70歳の龍馬が

 

「オレ、もうすぐBIGになるんで!」

 

「お、おう…。はやくしてくれんかの~。」

 

「うす!」

 

9話では、オレのお墓の前で80歳の龍馬が

 

「オレ、もうすぐBIGになるんでアニキに豪邸をプレゼントするッス。」

 

と手を合わせる。

 

最終話では、90歳になった龍馬が

 

「ア、アニキ…オレ…BIGになるッスよ…」

 

とギターを抱えたまま死んでいくという衝撃のラストw。

 

2人でケタケタと笑っていたが、この時龍馬が先に逝くなんて夢にも思っていなかった。

 

「龍馬よ、そりゃねえぜ…。」

久保龍馬上京し、プロのミュージシャンになる

金ならあるッスw!無敵の龍馬

「アニキ!ちょっくら東京行くッス!」

 

プロのミュージシャンになるために上京を決意した龍馬。

 

遂にその時がきたか!

 

「おう!早く一軒家買ってくれ!」

 

「うす!」

 

弟分の挑戦にエールを送る。

 

「BIGになってこいよ!」

 

「オレ、BIGになってくるッスw!」

 

東京に行ってから、Last Target 、REDEMPTION 97、THE REDEMPTIONというバンドに入ったことを報告してくれた。

 

YouTubeを再生しながら、色んな人に

 

「このギター弾いてるヤツ、オレの弟分やねん。

 

かっこええやろ?」

 

とよく自慢していた。

 

実の弟が東京へ!龍馬と飲みに行く

弟分の龍馬と実の弟豆さん

 

龍馬が上京してから数年後

 

実の弟豆さんも東京へ。

 

大阪で3人暮らしをしてから、2人は仲良くなっていた。

 

弟から連絡がある時は

 

「今、龍馬と飲んでるわ!」

 

「アニキ!豆さんと今飲んでます!」

 

という報告だった。

 

アフロ龍馬と龍馬の奥さんと豆さん

豆さんも龍馬を可愛がり、龍馬も豆さんを慕っていたようだ。

 

龍馬の職場に何日か豆さんがお世話になり、龍馬からこんな連絡が。

 

『豆さんに職場手伝いに来てもらってます』

 

豆さんは仕事ができたのだろうか?

 

龍馬の職場を手伝う豆さん

 

ハットが似合う龍馬と世紀末に備えモヒカンにする豆さん

 

プロのミュージシャンになった久保龍馬との再会

久々の再会!大人になった龍馬と記憶を失うアニキ

「アニキ!大阪行くんで一緒に飲みましょうよ!」

 

2015年9月4日。

 

プロのミュージシャンになった龍馬との再会。

 

地下鉄京橋の3番出口。

 

山盛りドレッドヘアの龍馬が白シャツ姿で立っていた。

 

「おうプロ!BIGになって帰ってきたな!」

 

そう言うと嬉しそうに笑う龍馬。

 

義兄弟の次男『ユタカ』と2016年に行ったお店で乾杯。

 

東京での仕事や生活の話をしてくれたが、酔っ払ってほとんど覚えていないw。

 

ただ、最高の夜だったことは覚えている。

 

「大国時代があったから…」

 

そんな話をして共に称え合った気がする。

 

そう、オレ達は無敵だった!

 

龍馬結婚する

タキシード姿の龍馬

龍馬から結婚式の招待状が届いた。

 

結婚式のことを、あるコミュニティでこう書いていた。

 

【今まで行ってきた結婚式で1番の感動】

 

『義兄弟三男の義理固い生き方』

 

今回結婚した友人は20年前に一緒に住んでいた超貧乏時代の仲間。

 

名前は龍馬。

 

「お前いくつなん?」

 

「オレ?18歳っス!

 

22歳?ジジイですねw。」

 

初めての会話を今でも覚えている。

 

仕事も一緒。

 

家に帰ればいる、家族のような繋がりを感じていた義兄弟の三男。

 

「アニキ!オレ東京にちょっくら勝負してくるわ!」

 

15年前に大阪を出ていった龍馬。

 

それから会ったのは5年前の1度だけ。

 

新幹線で品川に向かい、原宿を目指す。

 

「おお!アニキ、今でも反社か?相変わらずイカついな。」

 

「おうユタカ!オレはちゃんと税金を納めているから反社ではない。」

 

義兄弟の次男、ユタカと式場で握手を交わす。

 

イケメンすぎる龍馬

 

挙式が始まる。

 

相変わらずイケメンな龍馬。

 

18歳の金髪ロン毛の小僧は大人になっていた。

 

「龍馬相変わらずイケメンやったよな。」

 

「そうそう。金髪、モヒカン、ドレッドとか奇抜な頭しか見たことなかったからな。
今日初めて普通の髪型やったわ。」

 

結婚しドヤ顔の龍馬

 

披露宴に向かいながらユタカと話をする。

 

席表をみると自分の席だけ様子がおかしい。

 

「何でオレだけ新郎友人じゃなくて恩人なん?」

 

新郎恩人のアニキ

 

「そうやで。オレも新郎友人やわ。

 

アニキだけ恩人になってるわ。何でなん?」

 

(後でちゃんと見ると実の弟 豆さんも新郎恩人だった)

 

ここから【感動】しっぱなしの2日間が始まる。

 

「中谷さん。いつも息子の龍馬がお世話になっています。」

 

席に座ると龍馬の両親が挨拶にきてくれた。

 

いつも龍馬はオレ達の話をしてくれていたみたいで、忘れていた話まで聴かせてくれた。

 

「これ、龍馬からあずかっています。」

 

交通費代的な、ワイロが入った封筒をいただいた。

 

大国町時代のメンバー達

 

「いっつも金なくて貧乏な龍馬がこんなことできるようになったんやな…。」

 

「金ないッス!」「お腹すいた」が口癖だったあの頃。

 

8人合わせて全財産が200円。

 

もやしを買って皆でわけて食べていたのを思い出す。

 

披露宴が進み、気分よく酔っていると

 

「ここで友人を代表して恩人の中谷新吾さんとバンド仲間の○○さんに…」

 

まさかの挨拶!

 

緊張しながら挨拶をされてもらう。

 

新郎新婦とアニキ、豆さん、ユタカ

 

その後、龍馬と腕を組んで式場を一緒にまわりながらお色直しのために扉から出る。

 

「お前なぁ!挨拶させるんやったら言うてくれよw!」

 

文句を言いながらも嬉しい気持ちでいっぱいだ。

 

お色直しをした新郎新婦が現れ、バンド演奏が始まる。

 

「アニキ!あの龍馬のギターな~!

 

オレが龍馬に20年前にプレゼントしたギターなんや。」

 

嬉しそうに話をするユタカ。

 

次男ユタカからもらったギターで演奏する龍馬

 

「あの頃の俺らでいうたら40万円ってさ。

 

車買うのと一緒くらいの金額やったんやよね。」

 

ユタカへのメッセージカードには

 

『ユタカさんにいただいたギターで演奏させていただきます』

 

「いまだにあのギターを持っていて、プロになって。

 

結婚式で使ってくれるなんてホンマに幸せ。感動した!」

 

ユタカは嬉しそうに話していた。

 

最後の挨拶。

 

ここまででも涙しそうになる場面は何度もあった。

 

手紙を読んでいる時、さすがにウルっとしてしまい、周りをみると実の弟も号泣!

 

それを見て引いてしまい泣けずにw。

 

コロナのため、2次会はなく終了。

 

また東京で飲む約束を、龍馬と奥さんとして式場を去る。

 

晩御飯のメニューを考えながら演奏する龍馬

 

ユタカの行きつけの店が神楽坂にあるということで2人で飲む。

 

乾杯をした後、ユタカが嬉しそうに口を開いた。

 

「オレはさ、兄ちゃんがおるけどアニキって呼んでいないわけ。

 

オレがアニキって呼んでるのはアニキだけやから。

 

龍馬もさ、アニキのことをアニキって呼んでて。

 

俺らは血が繋がってないけど三兄弟なんやよね。

 

その三男がさ、長男と次男を幸せに今日してくれたよね。

 

あの頃ってさ、

 

めっちゃ貧乏でミュージシャンにもなれなくて。

 

人に言わせたら無駄な時間やよね。

 

それをさ、龍馬は今日すっごい価値のあるモノにしてくれた。

 

この日のために生まれてきた、生まれてきてよかったと思える日にしてくれた。

 

もう、20年前の話やで?

 

アイツの義理堅さには感動する。

 

今まで出会った中で一番義理堅いヤツやよ。

 

アイツの今の生活を支えているのは俺らじゃないはずやのに。

 

恩を忘れないアイツと兄弟でいれて心から幸せに感じるよ。

 

今日はさ、長男、次男が三男の幸せを願って飲もう!」

 

長男、次男が幸せを願った三男龍馬

 

最高の気分だ!

 

最高だ次男!そして三男!

 

そしてオレは宣言する。

 

「お前らがオレをアニキと今でも呼んでくれるなら、

 

オレの生き方は間違ってないと思えるわ。

 

お前らのアニキとして恥ずかしくない生き方させてもらう。」

 

気がつけば朝の5時。

 

2人ともベロベロに。

 

「アニキ!もうお前の顔見飽きたから帰るわw!」

 

「オレも飲まれへんw。また東京で会おう!」

 

今回の結婚式は、感動と人生について、幸せとは何か?

 

男同士の友情など、考えさせられることが沢山ありました。

 

自分は恵まれた人生なんだと思わせてくれた。

 

「人生でお金がない時、ピンチな時。

 

俺らはそういう時にどれだけカッコいい選択ができるか。

 

良い時よりも、ピンチな時のほうが人は注目してるから。

 

オレもアニキも龍馬も、その時間を共有してきたからな。

 

だから、これからの2人の人生をオレは信じている。」

 

ユタカはそう言って帰っていきました。』

 

そう、俺たちは無敵だった!

 

久保龍馬に結婚祝いを渡しに行く

700万の借金があった不安なアニキと幸せそうな龍馬

実は龍馬の結婚式。

 

1度は断ろうとしていたのだ。

 

投資で詐欺に合い、1200万円を失い、700万円の借金ができた直後。

 

現金が無く、家賃すら払えない状態。

 

「祝儀も出されへんし、行けんわ!」

 

龍馬に伝えると

 

「祝儀は要らないんで来てください!」

 

そう言ってくれた。

 

オレの嫁からの

 

「友達の結婚式は一生に一回しか無いし、お金は返したらいいやん」

 

そんな後押しもあり、お金を借りてスーツを買い、東京へ向かったのだ。

 

ただし祝儀は0円w!

 

結婚式から数日後、龍馬とのやり取り。

 

結婚式後の龍馬とのやり取り

 

『お礼の連絡遅くなりました。

 

アニキ先日はこんな状況の中、はるばる東京きてくれてありがとうございました!

 

また呑みいきましょう~』

 

『いや、まだ祝儀を納めてないから、オレの中で龍馬の結婚式は終わってないぞw!

 

もうちょい待ってくれ!』

 

そう宣言したのが、2020年11月。

 

オレの中では祝儀を渡すまで、龍馬の結婚式は終わってなかったのだ!

 

東京高円寺で豆さんと龍馬を待つ

 

2021年9月8日。

 

爆速で借金を返し、龍馬に結婚祝いを渡しに行く。

 

三兄弟の次男ユタカが7万円包んだことで、長男としてカッコつけるため更に包んだ。

 

高円寺で豆さんと龍馬を待ち、到着後

 

中華料理屋で乾杯!

 

龍馬の結婚式から約一年。

 

遂にこの時がやってきた!

 

1日も早く渡したかった祝儀。

 

龍馬に渡す。

 

龍馬が嬉しそうに祝儀を写メ。

 

それを見た時、「頑張って良かった~w」

 

心からそう思った。

 

三男よ!

 

お兄ちゃんは頑張ったんだぞ!

 

そう、オレ達は無敵だった!

 

久保龍馬オレの結婚式に参加

オレの結婚式に参加する龍馬

2021年12月 福岡

 

この年、世界一面白いといわれたオレの結婚式が行われた。

 

龍馬もはるばる東京から参加。

 

「めっちゃ笑いましたw最高っスww!」

 

龍馬たちと朝まで飲んだ。

 

龍馬の祝儀袋には、5千円とメッセージカードが入っていた。

 

結婚式後の龍馬からのLINE。

 

オレの結婚式後、龍馬からのLINE

 

『残りのお祝いは近いうち?

 

また次会う時までコツコツ貯めときますから!

 

フハハハハハ

 

 今日も昼からユタカさんと呑んだし!

 

最高の福岡パーティでした!

 

また!』

 

『いやーありがとうしかない!

 

祝いはこの額で良いでー!

 

また会おう兄弟!』

 

これが龍馬との最後のやり取りになってしまった。

 

久保龍馬の告別式に

龍馬からの祝儀袋

 

2023年3月29日。

 

実の弟から、龍馬が亡くなったことを知らされた。

 

「は?」

 

朝、LINEの内容を何度も読み返す。

 

ここからは現実味がない。

 

ユタカに電話しても

 

喪服を買いに行っても

 

東京への新幹線に乗っても

 

お通夜に行っても

 

事故現場に行っても

 

告別式に行っても

 

龍馬の親父さんと話しても

 

奥さん、お母さん、妹さん、龍馬を愛した人達の涙を見ても

 

この記事を書いていても。

 

祝儀袋の中には龍馬からのメッセージが

 

龍馬の奥さんと飲みにいく約束は?

 

三兄弟で飲みに行く約束は?

 

「龍馬よ、そりゃねえぜ…。」

 

久保龍馬という男

 

龍馬は友情に熱い男だ。

 

人の悪口を言わず、義理堅い男だ。

 

怒ったところも見たことがない。

 

嫁、妹、両親、友達を大事にするオレ達の自慢の弟分。

 

東京でも沢山の人を愛し、愛されていたことを告別式で知ることができた。

 

オレ達は龍馬のアニキとして誇らしかった。

 

 

あまりに突然の別れ。

 

人生に『もしも』があって、龍馬から別れの言葉があったなら

 

「アニキ!オレ先に逝くッスよw!じゃあw!」

 

オレ達はこう言うだろう。

 

「嫌や!無理!

 

ふざけんなお前っ!」

最後に 久保龍馬を愛した人達へ

この記事を書くか迷った。

 

龍馬の死を受け入れたくない自分との葛藤。

 

龍馬の本名を書くか、写真を載せるかも迷った。

 

オレと同じように久保龍馬を愛した人達に、オレが見てきた龍馬を知って欲しい。

 

その想いが強く、龍馬には無許可で書かせてもらった。

 

「良いっスよw!」

 

アイツならそう言うだろうw。

 

この記事をネットで見つけた龍馬の知り合いに、オレの知らない龍馬の話を聴かせてほしい。

 

そんな想いも込めて。

 

 

龍馬の写真はほとんど実家にある。

 

また帰った時に、この記事に追加しようと思う。

 

約1万文字になったが、思い出のほんの一部。

 

ブログには書けないことが多かった。

 

 

ここまで書いても実感がない。

 

まるで夢の中。

 

悪い夢を見ているようだ。

 

いや、2、3年後

 

「アニキ!大阪来たんで飲みに行きましょうよ!」

 

龍馬から連絡があるかもしれない。

 

 

なぜなら、オレ達は無敵だから。

 

 

三兄弟長男 中谷新吾